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金融機関の返済の条件変更であるリスケジュールについて:事業再生シリーズNo.110

 銀行の返済条件変更、いわゆる「リスケジュール」は、借入金の返済が難しくなった際に、金融機関に対して返済計画の変更をお願いする手続きです。これにより、返済の負担を軽減し、債務者が継続して返済を行えるように調整します。以下がその一般的なプロセスとポイントです。

1. リスケジュールの種類

 返済期間の延長: 返済期間を延ばすことで、月々の返済額を減らす方法です。利息がその分増える可能性がありますが、月々のキャッシュフローを改善することが目的です。

 元金据え置き: 一定期間、元金の返済を止め、利息だけを支払う期間を設ける方法です。これにより、当面の資金繰りを改善できますが、元金返済が後に重くなることもあります。

 金利の引き下げ: 金利を引き下げてもらうことで、利息負担を軽減する方法です。これはあまり一般的ではないですが、交渉次第で可能な場合もあります。

2. リスケジュールの手続き

 銀行に相談: 返済が難しくなる前に、早めに金融機関に相談することが重要です。遅れるほど対応が難しくなるため、問題が顕在化する前に動くのが理想です。

 必要な書類の準備: リスケジュールを申請する際には、以下のような書類を準備する必要があります。

・財務諸表(損益計算書、貸借対照表など)

・キャッシュフロー計画書

・事業計画書(特に法人の場合)

・個人保証人の状況(個人事業主や小規模企業の場合)

 銀行との協議: 書類を提出後、銀行と協議が行われます。ここで銀行が審査を行い、返済計画の見直しが適切かどうか判断します。銀行は借入者の返済能力を重視するため、具体的な財務改善計画を示すことが重要です。

 新たな条件での契約: 協議が成立すれば、返済条件を変更するための新たな契約が結ばれます。この際、新たな金利や返済期間、その他の条件が明確になります。

3. 注意点

 リスケジュールを行ったからといって、必ずしも金融機関が全ての希望を受け入れるわけではありません。返済能力が改善される見込みがなければ、交渉が難航することもあります。

 リスケジュールは一時的な対策であり、根本的な財務改善策を講じなければ、再度資金繰りが厳しくなる可能性があるため、同時に経営改善や支出の見直しも重要です。

 これらを踏まえたうえで、リスケジュールを検討する際には、専門家(中小企業診断士など)に相談することが推奨されます。

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