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【資金調達:ファクタリング】 事業再生シリーズ:No.132

 「ファクタリング」は、企業が持っている売掛金(顧客からの未回収の請求書)を現金化する資金調達手法です。これは、企業が顧客からの支払いを受け取る前に、ファクタリング会社に売掛金を譲渡して、その対価として早期に資金を受け取る仕組みです。特に資金繰りが厳しい中小企業にとって、キャッシュフローを改善する効果的な方法です。

1. ファクタリングの仕組み
ファクタリングでは、企業が持っている売掛金をファクタリング会社に売却し、その一部を即座に現金として受け取ります。顧客が売掛金を支払うまでの間に待つ必要がなく、企業は早期に資金を手にすることができます。ファクタリングの手数料は取引額の数%が一般的で、ファクタリング会社が売掛金のリスクを引き受けることになります。
2. ファクタリングの主な種類
2社間ファクタリング: 企業(売掛金を持つ側)とファクタリング会社の間でのみ行われる取引。顧客にはファクタリングを利用していることが知らされません。企業はファクタリング会社から資金を受け取り、その後顧客が売掛金を支払います。
3社間ファクタリング: 企業、ファクタリング会社、そして顧客の3者間で取引が行われます。顧客が直接ファクタリング会社に売掛金を支払うため、より透明なプロセスになります。
3. ファクタリングの利点
迅速な資金調達: 売掛金を持っているだけではすぐに現金化できませんが、ファクタリングを使うことで早期に資金を手に入れることができます。これにより、キャッシュフローが改善され、運転資金の不足を解消できます。
担保不要: ファクタリングは売掛金の譲渡がベースとなるため、担保や保証人を必要としないことが多いです。
信用リスクの軽減: 売掛金の回収リスクをファクタリング会社が引き受けるため、取引先が支払いを遅延した場合でも、企業のリスクは軽減されます。
4. ファクタリングのリスクと注意点
手数料が発生する: ファクタリング会社に支払う手数料がかかり、通常、売掛金の数%が引かれます。これが資金調達コストとなるため、資金繰りの改善とコストのバランスを考慮する必要があります。
売掛先の信用が重要: ファクタリングは、売掛先(顧客)の信用力に依存します。取引先の信用が低い場合、ファクタリング会社が受け入れないこともあります。
短期的な資金調達: ファクタリングは売掛金を早期に現金化する手法であるため、短期的な資金需要には有効ですが、長期的な資金繰りには向きません。
5. ファクタリングの利用事例
例えば、製造業「E社」は、取引先企業から毎月多額の売掛金が発生していますが、支払いサイトが60日であるため、資金繰りが一時的に厳しい状況に陥っていました。そこで「E社」はファクタリングを利用して、売掛金の80%を早期に資金化しました。この資金を使って仕入れや従業員の給与を支払い、事業運営を滞りなく進めることができました。取引先が売掛金を支払うと、残りの20%が「E社」に支払われ、ファクタリング手数料を差し引いた金額が最終的に受け取られました。
6. まとめ
ファクタリングは、売掛金を現金化することで、資金繰りを迅速に改善できる有効な手段です。特に、成長中の企業や、売掛金の支払いが遅れることによって資金繰りが厳しい状況にある中小企業にとっては、非常に有効な方法です。ただし、手数料や取引先の信用状況に注意しながら利用することが重要です。

 この手法を活用することで、企業はキャッシュフローを安定させ、事業をさらに発展させることができます。

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