給与・賞与の見直し・猶予の具体的なステップ

1. 現状の資金繰りを把握する

まず、企業の現状を正確に把握します。特に、キャッシュフローや今後の収支予測を整理し、どのくらいの期間、どれほどの資金が不足しているかを確認します。

この分析に基づき、給与や賞与の見直しや猶予が本当に必要かどうかを判断します。

2. 従業員との誠実なコミュニケーション

給与や賞与の見直しは、従業員の生活に直接影響を与えるため、透明で誠実な説明が重要です。従業員に対しては、次のようなポイントを説明する必要があります：

経営の現状: 企業が直面している財務的な困難や、資金繰りの悪化について具体的に説明します。

見直しの理由: なぜ給与や賞与の見直しが必要なのかを正直に伝え、企業存続のための一時的な措置であることを強調します。

見通しの提示: 給与や賞与がいつ正常に戻る見通しがあるか、今後の回復計画を示します。

3. 具体的な見直し案を提示する

従業員に対して、具体的な給与や賞与の見直し内容を提案します。いくつかの選択肢を検討し、従業員の同意を得るための柔軟な対応が必要です。以下の例が考えられます：

給与の一時的な減額: たとえば、全従業員の給与を一時的に10％減額し、資金繰りを確保します。

賞与の支給延期: 賞与の支払いを半年、または1年延期し、状況が改善した時点で支給する。

分割支払い: 賞与や給与の一部を後日分割して支払う案を提示し、急激な影響を和らげます。

4. 従業員の合意を得る

給与や賞与の見直しや猶予は、労働契約の変更に該当するため、従業員の同意が必要です。従業員との話し合いを通じて、全員が納得できる形での合意を目指します。

この際、給与が減額される期間や、賞与の支払い時期、さらには企業が再び通常の状態に戻る計画を明確に伝えることが、従業員の理解を得るための重要なポイントです。