A社は、機械部品を製造・販売している中小企業で、長年にわたり安定した収益を上げていました。しかし、近年の景気後退や取引先の減少により、売上が急激に落ち込みました。そのため、運転資金が不足し、毎月の銀行返済が重い負担となり、資金繰りが苦しくなってきました。
A社の状況
借入金:5000万円の設備資金ローン(返済期間5年、月々100万円の返済)
毎月のキャッシュフロー:固定費や材料費、従業員の給与支払いがあり、売上が低迷する中で月々の銀行返済100万円が重くのしかかり、赤字が続いていました。
リスケジュールの提案
A社は銀行に対して、返済のリスケジュールを申し入れました。具体的には、以下の2つの方法を銀行と協議しました。
元金返済の一時停止(半年間) まず、半年間は利息のみの支払いに切り替えることで、元金の返済を猶予してもらうことにしました。これにより、月々の返済額は100万円から30万円(利息部分のみ)に減少し、70万円の資金を事業運営に回せるようになりました。
返済期間の延長 さらに、残り3年の返済期間を5年に延長することを提案しました。これにより、毎月の元金返済額を圧縮し、リスケジュール後も無理なく返済を続けられるようにしました。結果として、月々の返済額は100万円から65万円に減少しました。
結果
リスケジュールによって、A社は返済負担を軽減でき、事業に必要な資金を確保しました。これにより、急場をしのぎながら新規取引先の開拓や業務効率化に取り組むことができ、半年後には売上が回復傾向にありました。また、銀行との信頼関係も維持され、追加融資の可能性も残された状態で、事業再生への道が開かれました。
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