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【事例9:建設業のB社のリスケジュール】 事業再生シリーズ:No.163

会社概要と問題点

 B社は地方で小規模の建設会社を運営しており、長年地元の建設プロジェクトに携わっていました。しかし、景気後退と建設業界の競争激化により、新規プロジェクトが減少し、売上が大きく落ち込みました。その結果、キャッシュフローが悪化し、毎月の銀行借入金返済が負担となり、資金繰りが限界に達しました。

現状

・借入金:4000万円(返済期間7年、毎月の返済額60万円)

・売上減少:売上は前年に比べて30%減少

・資金不足:新規案件が少なく、運転資金の確保が難しい

リスケジュールの提案

B社は銀行に対してリスケジュールを提案し、返済の再調整を行いました。具体的には以下の内容で銀行と合意しました。

1.元金返済の一時停止(1年間) B社は銀行に対し、1年間元金返済を一時停止する提案をしました。この間、利息のみを支払い、元金の返済負担を軽減することで、キャッシュフローの安定を図りました。月々の返済額が60万円から15万円(利息部分のみ)に減少し、資金繰りに余裕が生まれました。

2.返済期間の延長(追加2年) 元金返済を再開する際、返済期間をさらに2年間延長することを提案しました。これにより、残りの元金を分割して返済する期間が増え、月々の返済額が最初の60万円から45万円に減少しました。

結果

 B社はリスケジュールによって、短期的な返済負担を軽減し、事業運営のための資金を確保しました。この期間中、B社は経営改善に取り組み、新規のプロジェクトをいくつか獲得でき、売上が回復傾向に転じました。銀行との信頼関係も維持されたため、今後の資金調達や追加融資の可能性も残されました。

成功の要因

・早めの相談

B社は資金繰りが限界に達する前に、早めに銀行と相談し、柔軟な返済計画の再設定ができました。

・改善計画の提示

B社は単にリスケジュールを求めるだけでなく、将来的な売上回復の見込みや具体的な改善計画を銀行に示すことができ、銀行の協力を得ることができました。

・信頼関係の維持

リスケジュール後も定期的に銀行と連絡を取り、経営の進捗を報告したことで、信頼関係が維持され、今後の追加融資の道も開かれました。

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