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【事例37: ITサービス会社C社のプロパー融資新規借入交渉】 事業再生シリーズ:No.192

背景

C社は東京都内に拠点を置く中小のITサービス企業で、主に中小企業向けのクラウドソリューションやITコンサルティングを提供していました。近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)の需要が高まる中で、売上は順調に伸びていました。しかし、急速な成長に伴い、新規プロジェクトの拡大や市場シェアの増加を目指すために追加の設備投資や人材採用が必要となり、運転資金の需要が増加しました。

問題

・資金不足: 現在の保証協会を通じた融資枠はほぼ使い切っており、さらなる資金調達が必要。

・成長機会の喪失: 必要な資金が調達できなければ、新規プロジェクトの拡大や市場シェアの増加が困難に。

・信用力の向上: 無担保でのプロパー融資を獲得するためには、企業の信用力をさらに高める必要があった。

プロパー融資交渉の進め方

1.財務状況の整理と透明性の確保

・詳細な財務諸表の準備: 過去3年間の財務諸表(損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書)を整理し、売上成長率や利益率の向上を明確に示しました。

・キャッシュフロー計画の提示: 現在のキャッシュフロー状況と将来の予測を詳細に説明。特に、新規プロジェクトによる収益増加がどのように返済に寄与するかを具体的に示しました。

2.資金用途と具体的な返済計画の明確化

・資金用途の具体化: 追加資金の用途を具体的に説明(例:新しいサーバーの購入、マーケティングキャンペーンの実施、人材採用費用)。

・返済計画の提示: 新規プロジェクトの収益予測に基づいた返済スケジュールを作成し、現実的な返済能力を銀行に示しました。

3.事業計画と成長戦略の提示

・成長戦略の具体化: 新規市場への進出計画や新サービスの開発計画を詳細に説明。市場分析や競合他社との比較、売上予測を含めました。

・具体的な目標設定: 目標売上や利益率の設定と、それを達成するための具体的な施策(例:新規顧客の獲得戦略、既存顧客のリテンション強化策)。

4.銀行との信頼関係の構築

・定期的なコミュニケーション: 銀行担当者との定期的なミーティングを設定し、事業の進捗状況や課題についてオープンに共有。

・経営者の信用力アピール: 経営者自身の実績や経験、企業のビジョンを強調し、信頼性を高めました。

5.他の資金調達手段との併用提案

・多様な資金調達手段の検討: プロパー融資だけでなく、エクイティ・ファイナンスやクラウドファンディングなど他の資金調達手段も併用する計画を提案。

・リスク分散の強調: 複数の資金調達手段を組み合わせることで、銀行に対してリスクの分散を図っていることを示し、融資の承認を後押し。

結果

C社は詳細な財務状況と具体的な事業計画を銀行に提示し、プロパー融資による新規借入を成功させました。以下がその結果です:

・無担保融資の承認:

銀行はC社の信用力と成長見込みを評価し、無担保でのプロパー融資を承認。金利は保証付き融資よりも若干高めに設定されましたが、迅速な資金調達が可能となりました。

・事業拡大の実現:

得た資金を活用して新規プロジェクトを展開。新しいサーバーの導入やマーケティングキャンペーンの実施により、売上がさらに増加しました。

・信用力の向上:

プロパー融資の成功により、銀行との信頼関係が強化され、将来的な追加融資や新規借入が容易になりました。

成功要因

明確な事業計画と成長戦略の提示: 銀行に対して具体的かつ実現可能な事業計画を提示し、信頼を獲得。

・財務状況の透明性:

正確かつ詳細な財務情報を提供することで、企業の信用力を証明。

・信頼関係の構築:

銀行との定期的なコミュニケーションを通じて、信頼関係を強化。

・多様な資金調達手段の併用:

リスク分散を図ることで、銀行に対して融資のリスクを軽減させる戦略を提示。

まとめ

プロパー融資の新規借入交渉を成功させるためには、以下のポイントが重要です:

・詳細な財務状況の整理と透明性の確保:

銀行に対して正確な財務情報を提供し、企業の健全性を示す。

・具体的な資金用途と返済計画の提示:

資金の使用目的を明確にし、実現可能な返済計画を示す。

・実現可能な事業計画と成長戦略の提示:

将来の成長見込みと具体的な施策を銀行に対してアピール。

・信頼関係の構築:

銀行との定期的なコミュニケーションを通じて信頼を築く。

・多様な資金調達手段の併用:

リスク分散を図ることで、銀行に対して融資のリスクを軽減させる戦略を提示。

これらの要素をしっかりと準備し、銀行との交渉に臨むことで、プロパー融資の新規借入を成功させ、企業の成長を支える資金調達が可能となります。

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