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事例48:飲食業の中小企業C社の社会保険料猶予申請: 事業再生シリーズ:No.203

背景:

C社は、都市部で複数のレストランを経営している中小企業です。しかし、新型コロナウイルスの影響により、営業自粛や顧客減少で売上が大幅に低下し、経営が厳しい状況に追い込まれました。特に、法人税の納税や従業員の社会保険料の支払いが難しくなり、資金繰りに大きな支障をきたしました。

問題点:

・売上の大幅な減少によるキャッシュフローの悪化。

・法人税や消費税、従業員の社会保険料の納付期限が迫っていた。

・猶予がなければ従業員の給与支払いや仕入れ費用の支払いも厳しい状況。

対策:税金・社会保険料の猶予申請

1.猶予申請の要件確認

・C社は、税務署や社会保険事務所に相談し、コロナ禍の影響で納税や保険料支払いが困難である旨を伝えました。これにより、コロナ特例に基づく猶予申請が可能であることが確認されました。

2.申請書類の準備

・C社は、税務署に法人税・消費税の猶予申請書を提出しました。また、社会保険料についても、社会保険事務所に支払い猶予を申請しました。

・申請には、以下の書類を用意しました:

-売上減少の証明資料(過去数カ月の売上データ、経営状況の報告書)

-資金繰り表(支出と収入の見通し)

-支払いが困難である理由を説明する書類

3.審査と猶予の認定

・C社の申請が受理され、税務署と社会保険事務所で審査が行われました。C社の売上減少が明確であり、今後の回復見込みがあることから、猶予が認定されました。

・法人税と消費税については、1年間の支払い猶予が認められ、延滞税が免除されました。また、社会保険料についても、6カ月間の猶予が認められました。

4.猶予期間中の対策

・C社は、猶予期間中に事業再建のための施策を実施しました。具体的には、テイクアウトやデリバリーサービスの強化、新メニューの開発、オンラインマーケティングを活用した顧客獲得策を展開し、売上を徐々に回復させました。

・猶予期間が終わる頃には、一定の売上回復が見込まれ、分割払いを含む支払いスケジュールに沿って納税を再開することができました。

結果:

・C社は、法人税・消費税および社会保険料の猶予により、短期的な資金繰りの圧迫を回避できました。

・猶予期間中に事業改善策を実施し、徐々に売上が回復したため、猶予終了後も分割払いでの納税を無事に完了。

・社員の雇用も維持でき、倒産の危機を免れ、長期的な事業運営を継続することが可能となりました。

この事例のポイント

・早期の対応: C社は、納税や社会保険料の支払いが厳しくなる前に迅速に税務署や社会保険事務所に相談し、猶予申請を行いました。

・明確な申請理由と証拠資料: 申請には、売上減少や資金繰りの悪化を具体的に示す証拠を揃えたことが、猶予の認定に繋がりました。

・猶予期間中の経営改善: 猶予期間中に事業の立て直しを図ることで、将来的な納税や保険料の支払い能力を回復させることができました。

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